治療の生存率について
歯を失った際にはどのような治療法があるのかというご相談をしばしば受けることがあります。
歯を失ってしまった場合の治療方法としては、HPにも記載していますように基本的には部分入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類があります。
患者さんからインプラントはずっと使用できるものなのかといった治療の予後に関するご質問を多くいただきます。
海外の文献データより、インプラント治療はご自身の歯を使用するブリッジよりも経年的な生存率は高いというデータがあります。過去の多くの文献を集めた論文によれば、ブリッジの5年生存率は93.8%なのに対して、インプラントの生存率は94.5%というデータがあります(①)。もちろん定期的なメインテナンスをお受けいただき口腔内状態を健全に保つことは必要不可欠ですが、インプラントは長期的な予後の観点からもよい治療法と考えられます。
ブリッジとインプラントによる5年・10年生存率
生存率(%) | ||
---|---|---|
5年 | 10年 | |
ブリッジ | 93.8 | 89.2 |
インプラント クラウン |
94.5 | 89.4 |
インプラント ブリッジ |
95.2 | 86.7 |
また、部分入れ歯に関しては長期的な予後を研究したデータが少なく、患者さんの使用感を考えるとブリッジないしインプラントといった固定性による治療法が好まれていると思われます。
失った歯の隣在歯の状態がすでに被せものが装着されている場合や虫歯である場合には、健全な歯を削る必要性がないことからブリッジが治療の第1選択肢となることも考えられます。
ただし、インプラント治療はご自身の隣在歯の健全な歯質を守ることができ、かつ失った歯の機能回復することができる有効な治療法です。
治療に対してご相談したい患者さんは是非ご来院ください。
患者さん個々の状況に応じた治療方針を提供させていただきます。
① Pjetursson BE et al. Comparison of survival and complication rates of tooth-supported fixed dental prostheses (FDPs) and implant-supported FDPs and single crowns(SCs). Clin Oral Impl Res. 18, 2007, 97-113